|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
子宮筋腫・子宮内膜症 子宮内膜症におけるCA125値の臨床的意義
島 絵美里, 島貫 洋人, 菊地 盤, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科
【目的】CA125は,子宮内膜症の50%で陽性となるといわれており,その診断と治療効果の判定に広く用いられている.しかし実際,軽症例,重症例に関係なくCA125値にばらつきがある.そこで今回,腹腔鏡下手術で診断を確定した子宮内膜症症例の病態とCA125の関係につき検討した.【対象と方法】1998年から2001年までに当科で腹腔鏡下手術を施行し,子宮内膜症と診断された353例のうち,GnRH agonistによる術前治療を行わなかった群123例(平均年齢:33.1±6.9歳,CA125:68.1±90.9)を対象とした.術中に認められた腹膜病変,ダグラス窩完全閉塞,卵巣チョコレート嚢胞の有無,r-AFS分類による子宮内膜症進行期と術前のCA125との相関をPearson検定で検討した.【結果】Pearson検定で,CA125(U/ml)とr-AFS scoreとの間に有意な相関は認められなかった.また,腹膜病変のみのもの,卵巣チョコレート嚢胞を認めたもの,さらにダグラス窩完全閉塞までを認めたものの3群におけるCA125の平均値はそれぞれ,45.2±43.4,82.3±25.7,64.9±57.7であり,3群間に有意差は認められなかった.【結語】一般に子宮内膜症ではCA125は正常値の上限より高値をとるが,子宮内膜症の血中マーカーとして測定されるCA125は内膜症の重症度や病態と相関は認めなかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
307-307, 2002
|