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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他2
閉経前後および閉経後期間に伴う骨代謝マーカーの推移に関する検討


岡野 浩哉, 武者 稚枝子, 水野 鳳子, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


【緒言】閉経前後および閉経後期間に骨代謝マーカーのNTxとBAPを測定し,骨吸収/骨形成のバランスから骨代謝動態を説明し得るか否かを検討した.【対象】当科更年期外来を受診した閉経前102名,閉経後164名の計266名を対象とした.閉経前では月経の状態により正順群(REG)50名,不順群(IRREG)52名に,閉経後は閉経後年数(YSM)により,0−2,3−5,6−10,11−15,16−(年)の5群に層別した.各群でのNTxおよびBAPを測定し,REGを基準とした変化率(%)およびNTx/BAP比を算出し骨代謝バランスを検討した.【結果】 REGとIRREGとでは,すでにNTx, BAPとも後者が有意に(P<0.01)上昇していた.この上昇は閉経後も持続し,NTxはYSM0−2にBAPではYSM3−5でピークを迎え,ともにREGに対する増加率は90%で,以後漸減した.変化率の検討ではIRREGからYSM0−2までは吸収>形成であったが,YSM3〜15までは形成>吸収となった.NTx/BAP比で検討すると,REGに比しYSM0−2まで上昇を示すが,YSM3−5以降は急速に減少し,REGよりも低い値をとり,吸収優位なバランスが改善された.【考察】骨量の低下は45歳からはじまり,perimenopauseに最も顕著でその後緩除となるが,今回の検討ではNTxとBAPはその骨吸収と骨形成のバランスをよく反映する優れたマーカーであった.また閉経後一定の時期を経過しても骨吸収は亢進したままであるにも拘らず,骨量の低下は鎮静化するが,この一見矛盾する現象もすでにこの時期においては亢進した骨吸収を骨形成が代償していることから説明可能と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 310-310, 2002


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