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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
その他2 当院で行っている化学療法における医療事故防止対策
石黒 葉子1), 渡辺 未央1), 村野 孝代1), 宮本 壮1), 村上 優1), 篠塚 孝男2), 牧野 恒久1)
東海大学母子生育学系産婦人科1), 東海大学付属大磯病院産婦人科2)
医療行為は本来,国民の健康維持,増進に益するべきものであるが,近年,医療紛争の件数が急増していることは,我々医療従事者として憂慮すべきことである.原因として,医療の高度化,複雑化に伴うリスクファクターの増加,国民の医学知識の向上と,それに伴う期待度の高まりもさることながら,依然として基本的な注意義務を怠ったための医療過誤も多く報告されている.当院では医療安全に万全を期するため,平成11年2月より対策委員会を設置し,具体的な事故予防対策を検討,立案する組織と位置付け,事故防止活動を実質的に担っている.委員会はインシデント/アクシデントレポート提出制度による情報収集を行い,その究明をもとにマニュアルを作製して現場にフィードバックすることにより良い結果を得ている.中でも化学療法関連は重大なリスクの一つであり,当院婦人科病棟では,そのマニュアルにのっとり化学療法を行っている.具体的な内容として,まず医師が化学療法の計画を立て,その際なるべく統一された輸液や管理で行えるように工夫し,新しい薬品や,普段と異なる輸液を行う場合には,前もって看護師と勉強会を開く.またその際クリテイカルパスを活用し,患者本人の理解も促す.薬剤のボトル作成は薬剤部に依頼し,実際に投与するときは,担当ナースと医師が一緒にベッドサイドに行き,患者と投与薬剤とを確認し実施する.これらの一連の作業を具体的に報告すると共に,このような対策を行った後のインシデント/アクシデントレポート提出の結果も踏まえながら,その効果についても検討したので報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
310-310, 2002
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