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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
その他2 子育ての1手段としての特別養子縁組:環の会を介して養子となったケース122例についての産みの親と育て親についての報告
星野 寛美
特定非営利活動法人 環(わ)の会(関東労災病院産婦人科)
特定非営利活動法人である当会では,妊娠・出産・育児に悩む方々を対象として,各種相談に応じ,必要な場合には,特別養子縁組による養子縁組の仲介も行っている.その概要は,既にこれまでの当学会でも報告しているとおりである.今回は,養子として,育て親のもとで育てられている子ども達のケースに焦点を絞り,それらのケースの,産みの親,育て親およびその後の経過について報告する. 平成3年10月の当会発足以来,平成13年12月までの10年2ヶ月の間に,養子縁組を前提として,育て親の家庭に迎えられた子ども達のケースは,122例あった.これらの産みの親(母親)の年齢は,11歳から46歳までで,平均23.5歳であった.相談の時期は,妊娠中が74件(62.2%),分娩当日から1週間以内が23件(19.3%)であった.養子を希望した理由は,家庭環境を挙げたケースが56件(47.1%)で最も多かった. 子どもを迎えた時の育て親の平均年齢は,夫が36.2歳,妻が33.9歳で,育て親となっている81組の夫婦の内,66組(81.5%)は,不妊症であった. その後の経過としては,122例中94例(77%)で,特別養子縁組が成立している. 乳幼児虐待の増加が指摘される昨今であるが,その防止の一つとしても,子育ての一手段として,養子縁組が有用であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
311-311, 2002
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