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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他2
両側多房性卵巣嚢種および内分泌環境よりFSH産生を強く疑わせる脳下垂体腺腫の1例


仲村 勝, 升田 博隆, 丸山 哲夫, 清水 亜紀, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶應義塾大学産婦人科


 ゴナドトロピン産生下垂体腫瘍は,増大する腫瘍の圧迫による神経症状の出現により診断される場合が多く,内分泌的環境も含めた他の症状や所見から診断されることは稀である.
 今回我々は,両側多房性卵巣嚢種および内分泌環境より,FSH産生を強く疑わせる脳下垂体腺腫の症例を経験したので報告する.
 症例は,40歳未婚0経妊0経産.平成13年11月,婦人科検診にて両側の卵巣嚢腫を指摘され当院を紹介受診した.初診時所見は,右卵巣長径59mm左卵巣長径79mmと両側ともに多房性に腫大しOHSS様の卵巣を呈していた.各ホルモンの血中濃度はLH 0.2mlU/ml以下,FSH 8.8mlU/ml,E2 397pg/mlであった.その後LH-RH負荷試験では,LH-RH投与前LH 0.2mlU/ml以下・FSH 7.7mlU/ml,30分後LH 3.0mlU/ml・FSH 19.7mlU/ml,60分後前LH 2.6mlU/ml・FSH 14.4mlU/mlであり多嚢胞性卵巣症候群は否定された.LHが基礎値低値で低反応,FSHが基礎値正常で正常反応,両側卵巣がOHSS様に腫大しE2が高値であることより,FSH産生下垂体腫瘍の存在を予測した.そこで頭部造影MRI施行したところ,径11mmの脳下垂体腺腫を認め,現在脳神経外科とともに治療方針を検討中である.
 本症例では,下垂体腫瘍より持続的にFSHが分泌され,卵胞を刺激することでOHSS様の卵巣嚢腫形成とE2産生を惹起させ,そのE2高値による負のフィードバックにより下垂体からのLH産生が抑制されていると考えられる.本症例における他の検査結果と併せて,本疾患についての文献的考察を行う.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 312-312, 2002


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