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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍1
子宮体癌の術前管理中に突然下肢の激痛にて発症した動脈血栓症の一例


久木野 竜一, 深見 武彦, 小西 英喜, 斎藤 糧三, 三並 伸二, 品川 志野, 吉松 和彦, 可世木 久幸, 石原 楷輔, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科


 近年我が国では社会の急速な高齢化と生活習慣の欧米化により動脈硬化性病変が増加し,それに伴って血栓症の患者数も増加の傾向にある.今回我々は子宮体癌の術前管理中に動脈血栓症を突然発症した一例を経験したので報告する.(症例)患者は46歳,1回経妊1回経産,平成13年1月より性器出血が持続していた.10月20日近医より重度の貧血にて当院内科へ紹介され,貧血症(Hb 4.1g/dl)と新たに糖尿病も発見され内科入院となった.10月22日性器出血の精査目的で当科に紹介された.初診時子宮は超手拳大,子宮口は指尖挿入,血性帯下少量あり.超音波検査では子宮内膜の肥厚と内腔の拡大が著明であった.子宮頸管細胞診classIII,内膜細胞診classV.子宮体癌の診断にて翌23日に当科に転科となった.(入院後経過)10月24日貧血治療目的でMAPを輸血中に突然両下肢の激痛が出現した.両下肢はやや蒼白化し皮膚温低下あり,両側大腿動脈,足背動脈ともに拍動を触知しなかった.下肢動脈血栓症を疑い緊急下肢動脈造影検査を行ったところ,両側総腸骨動脈の起始部より閉塞がみられた.引き続き経カテーテル的に血栓除去術を行い総腸骨動脈血栓を除去した.術後は血栓再発防止のため抗凝固療法(ヘパリン→ワーファリン,抗血小板剤)と平行して子宮体癌の病巣縮小目的で放射線照射を30Gy施行した.1月15日準広汎子宮全滴術を施行し経過順調にて退院,現在外来にてフォローアップ中である.(考察)今回の症例では糖尿病による閉塞性動脈硬化症に脱水と輸血が加わったことで血液濃縮が促進し血栓閉塞症が発生したと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 314-314, 2002


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