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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
不妊・不育 ZIROS(Zona Infrared Laser Optical System)によるLAH(Laser assisted hatching)の効果
高見澤 聡, 柴原 浩章, 平野 由紀, 山中 誠二, 鈴木 達也, 高山 剛, 松原 茂樹, 鈴木 光明
自治医科大学産婦人科
【目的】Assisted hatching(AHA)は,ARTにおける着床率向上のための透明帯(ZP)操作であり,使用手段(化学的,機械的)やZPの処理(開孔,切開,菲薄化)等によりさまざまな方法がある.近年,新たにレーザーを用いたLAHが開発され,一部では臨床応用されている.今回,我々は波長1480nmのClass1,non-contact infrared laserを使用したZIROS(HAMILTON THORNE RESEARCH,USA)を試用する機会を得,凍結余剰胚を用いてLAHの効果を検討したので報告する.【方法】患者の同意を得,提供を受けた余剰凍結胚43個を無作為に2群に分け,解凍後約半日の追加培養の後23個にLAHを実施,20個はコントロールとしてさらに3日間培養を継続し,それぞれの胚盤胞への発育およびhatchingの有無を観察した.LAHは13個に菲薄化(1/4周,ZP厚の50−80%を削除)を,10個に開孔(直径20−30μm)を施行した.【成績】LAH群23個中8個(35%:菲薄化3,開孔5)が胚盤胞に発育,うち6個(6/8=75%:菲薄化2,開孔4)がhatchingした.コントロール20個中6個(30%)が胚盤胞へ発育,うち2個(2/6=33%)がhatchingした.胚盤胞中,ZPのexpansion,thinningがみられたのはLAH群は菲薄化の2個(2/8=25%),コントロール群は4個(4/6=67%)であり,それぞれ1個(1/2=50%),2個(2/4=50%)がhatchingした.expansion,thinningがなくともLAH群では5個(5/6=83%)がhatchingし,コントロール群では0個(0/2=0%)であった.【結論】LAHはZPのexpansion,thinningが得られない胚盤胞のhatchingを可能にするかもしれない.また,本機器の簡便性は特記すべきものであった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
322-322, 2002
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