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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
不妊・不育 当院に行なっている腹腔鏡下TCRを用いた中隔子宮切開術後の臨床経過〜不育症の治療としての有益性について〜
中村 光佐子, 児島 梨絵子, 楯 浩行, 井原 規公, 山口 隆, 山城 千珠, 三島 みさ子, 古屋 智, 横尾 郁子, 伊豆田 誠人, 加藤 賢朗
虎の門病院産婦人科
【目的】我々は1997年の当学会で,中隔子宮に対して,腹腔鏡で双角子宮でないことを確認した上で中隔部分をレゼクトスコープで切開するという術式を発表した.今回,当術式の術後経過を報告する.【方法】1995年1月〜2002年6月までの習慣性流産を主訴に当院に来院され,精査の結果中隔子宮を指摘されて上記手術を受けた9症例の術後の妊娠・流死産・出産例と分娩形式について検討した.【結果】9例のうち,術後すぐに来院されなくなった2例と2002年5月に手術したばかりで現在経過観察中の1例を除き,6例で検討を行なった.術前の平均流死産数は1.9であった.1,術後平均11ヶ月で全例が初回妊娠に成功し,全体では9妊娠,流産例は0で,うち自然妊娠が5例,クロミッド妊娠が2例(PCOによる),hMG/hCG妊娠が2例(長期無月経の既往による)であった.2,分娩形式は,自然経膣分娩2例,吸引分娩1例,中隔切開術中所見による選択的帝王切開2例で,帰省分娩の3例と前期破水で母体搬送となった1例については,現在転帰調査中である.【結論】中隔子宮が流産の原因と考えられる時は中隔切除術が有用である.開腹で子宮に大きな創傷を残す中隔切除術後は,分娩形式が選択的帝王切開術に限られるが,本術式では子宮を切開しないため,症例を選べば経膣分娩も可能であると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
323-323, 2002
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