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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
不妊・不育
アシステッドハッチングおよび胚盤胞移植により妊娠が成立した原因不明不妊の一例


望月 修, 井深 京子, 大西 雄一, 鈴木 留美, 宇津 正二, 野田 恒夫
聖隷三方原病院産婦人科


[目的]着床期に腹痛をきたす以外に原因不明の原発不妊に対し,6回目の体外受精でアシステッドハッチング(AHA)および胚盤胞移植を行い,妊娠が成立した一例を経験したので報告する.[対象と治療経過]年令30才,平成10年10月から原因不明の原発不妊(7年間)として体外受精を開始した.2回目までの体外受精は採卵後2日目移植としたが,着床期に下腹部痛を認め妊娠には至らなかった.3〜4回目の体外受精は胚盤胞移植としたがやはり下腹部痛がみられ不成功に終わった.平成13年6月にはZIFTにて5個の初期胚を卵管内に移植したが,やはり妊娠はみられなかった.そこで平成13年11月に6回目の体外受精としてAHAを実施後に胚盤胞移植を行ったところ,初めて双胎妊娠が成立し現在妊娠21週で順調な経過をたどっている.[結論]診断的腹腔鏡検査で正常骨盤所見を示し,数回の体外受精・胚移植とZIFTでは妊娠が成立せず,しかも着床期になると下腹部痛が出現する本症例に対し,AHAと胚盤胞移植を組み合わせることにより初めて妊娠が成立した.本例の場合,胚と子宮内膜のクロストーク異常により子宮収縮が誘発され,そのために下腹部痛が出現した可能性も否定できない.このような症例に対してはAHAが今後有効な一手段となる可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 324-324, 2002


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