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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(2) 子宮頚癌,膣癌に対するconcurrent chemoradiotherapyの臨床的検討
斎藤 元章, 上田 和, 斎藤 絵美, 高倉 聡, 山田 恭輔, 岡本 愛光, 佐々木 寛, 落合 和徳, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科
【目的】欧米において,進行子宮頚癌に対してconcurrent chemoradiotherapy(CCRT)が標準治療となりつつあり,本邦においてもその有効性が報告されている.今回,当科においてシスプラチン(CDDP)を用いたCCRT施行例について臨床的検討を行った.【方法】対象は子宮頚癌,膣癌の診断でCCRTを開始した8症例(squamous cell carcinoma 4例,mucinous adenocarcinoma 3例,neuroendocrine carcinoma 1例)であり,内訳は評価可能病変を有する非手術例2例(III期1例,IV期1例),術後アジュバント療法例6例(I期4例,II期2例)である.化学療法は,CDDP40mg/m2を毎週4〜6コース投与とし,放射線治療は,全骨盤照射50GY,腔内照射20GYを標準線量とした.なお,化学療法当日は薬剤投与4時間後に放射線療法を行った.【成績】,計8例に対して43コース(4〜6)投与した.評価可能例では1例は臨床的CRとなり,他の1例でも主病巣は消失した(CCRT終了後に残存する傍大動脈リンパ節に放射線療法を施行).また,アジュバント療法例では,現在のところ再発を認めていない.grade3の血液毒性は白血球・好中球減少50%,血色素減少25%,血小板減少25%であり,非血液毒性は悪心・嘔吐50%,下痢25%であったが,grade4の副作用は認められず,全例でCCRTを予定通り完遂できた.【結論】欧米でのエビデンスによるCDDPを用いたCCRTは,重篤な副作用は少なく日本人に対しても完遂可能であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
156-156, 2003
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