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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(2)
子宮頸癌に対する化学療法の効果の臨床的検討


斉藤 恵子, 喜多 恒和, 高野 政志, 藤井 和之, 岡本 三四郎, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科


 進行子宮頚癌に対しては放射線療法を第一選択としてきたが,長期予後は良好とは言い難い.一方前治療のない子宮頚癌では化学療法が有効であることが報告されている.今回1992年から2002年にNACまたは手術・放射線治療後の再発時治療として化学療法を行った40例(扁平上皮癌 31例,腺癌 8例,腺扁平上皮癌 1例)を対象とし奏効率,生存期間などを検討した.NAC群(26例)では,BOMP13例,CPT-N4例,EP,CAP,PEPが1例ずつ,動注3例(CDDP・ADR併用1例,CDDP単剤2例)であり,平均2.3コース施行した.奏効率は53.8%,レジメン別ではBOMP56.3%,CPT-N50%,動注は33.3%であった.NAC後に広汎子宮全摘術を施行できたのは7例(26.9%)で,進行期別ではI期25%,II期45.5%,III期16.6%であり,レジメン別ではBOMP25%,CPT-N25%であった.再発時治療群(14例)ではCPT-N5例,CAP,BOMP各々3例,PEP,CPT-P,動注(CBDCA)が1例ずつで平均2.8コース施行した.奏効率は21.4%,レジメン別ではCPT-N40%,動注100%,他はすべて0%であった.またNAC群の生存期間(中央値)は20ヶ月以上で,広汎子宮全摘術完遂例では27ヶ月であった.再発時治療群の化学療法開始後の生存期間(中央値)は8ヶ月であった.以上から,II期までの進行子宮頚癌にNACは有効と考えられ,症例の慎重な選択が必要と思われた.また再発時のレジメンとしてCPT-N療法が有効である可能性が示唆されたが,さらなる検討が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 157-157, 2003


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