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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(2) 高齢の子宮頚癌肺転移患者に対して行ったQOLを考慮した短期入院のWeekly Paclitaxel化学療法
矢追 正幸, 林 雅敏, 根岸 秀明, 大島 乃里子, 佐々木 奈奈, 星本 和種, 安藤 昌守, 濱田 佳伸, 友部 勝実, 掘中 俊孝, 榎本 英夫, 大藏 健義
獨協医科大学越谷病院産婦人科
【目的】高齢の子宮頚癌肺転移患者に対しQOLを考慮したWeekly Paclitaxel療法を施行し,その効果と患者の身体的負担さらに治療継続への意欲に関して3コース終了まで検討した.【方法】対象は79歳と76歳の子宮頚癌肺転移患者.前者には平成7年7月に広汎子宮全摘術および骨盤リンパ節郭清術を行った(pT1bN0M0).平成10年4月に右肺野(S6)に転移病変が出現したため,外来で内服化学療法を施行していた.後者は平成14年4月に子宮頚癌3b期と診断され,放射線療法(外照射50Gy,腔内照射23Gy)を施行した.その6ヶ月後に肺転移が判明した.それぞれの患者に対し十分なinformed concentを行った上で治療を行った.3回の治療をもって1コースとし治療の間隔は7日間,3コース連続施行した.Paclitaxel(80mg/m2)を5% glucose250mlに溶解し1時間かけて静脈注射した.【成績】Weekly Paclitaxel 1コースの治療で両患者の肺転移巣が縮小し,前者ではSCC(腫瘍マーカー)が100ng/mlから2.2ng/mlへ減少し,後者では13ng/mlから5.4ng/mlへ減少した.副作用として前者のみ1コース治療開始7日目に骨髄抑制(WBC1,500/μl)が出現しGCS-Fを1回使用した.脱毛が1コース中より両者に認められた.それ以外の副作用はなく心電図モニターも含め3コース終了まで正常であった.入院期間は3コース中,1コース1回目のみ7日間入院としたが,重篤な副作用がなくそれ以後の入院治療は1日で可能であった.その結果,本人の治療継続の意欲も保つことが出来た.【結論】Weekly Paclitaxel療法は高齢者の子宮頚癌肺転移例に効果があり,しかもQOLを考慮した化学療法として有用である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
158-158, 2003
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