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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(3)
endosalpingiosisからの子宮筋層内嚢胞性腫瘍が疑われた子宮体部明細胞腺癌の一例


瀬山 真智子1), 安達 知子1), 舟山 幸2), 雨宮 照子2), 相羽 早百合2), 矢島 正純1), 太田 博明1)
東京女子医科大学産婦人科1), 至誠会第二病院産婦人科2)


 endosalpingiosis(卵管内膜症)とは組織学的に卵管上皮に類似した上皮が異所性に存在するものを称じ,通常良性の組織像を呈する.今回我々は子宮筋腫,チョコレート嚢胞にて開腹術後10年目に再開腹術を施行し,摘出した子宮の筋層内嚢胞性腫瘍に明細胞腺癌を認め,endosalpingiosisからの発生が疑われたので報告する.症例は55歳,2経妊2経産,閉経52歳.平成4年,子宮筋腫および右卵巣チョコレート嚢胞にて子宮筋腫核出術および右付属器切除術施行.平成14年8月,右下腹痛を主訴に当科受診.超音波断層像,MRIにて子宮右側方に一部充実性部分を伴う腫瘤を認めた.腫瘍マーカーは正常範囲内であったが,画像所見より悪性腫瘍を疑い,平成14年9月に開腹術施行となった.開腹時子宮は表面平滑で手拳大に腫大し,右付属器はなく,左付属器には小さいチョコレート嚢胞を認めた.腹腔内に明らかな播種像はなく,腹式単純子宮全摘術+左付属器摘出術を施行した.摘出標本では子宮右卵管角近傍の筋層内に径5cmの子宮嚢胞があり,嚢胞内部に乳頭状の増殖を認め,この部分と子宮内腔および右残存卵管腔との交通は認められず,腹水細胞診は陰性であった.組織学的には,嚢胞壁は異型を伴う腺上皮からなり,乳頭状発育を示した部分の細胞質は淡明でhobnail cellを認め,PAS陽性を呈し,clear cell adenocarcinomaと診断した.なお嚢胞璧内をふくめた病変近傍部には線毛を伴う異所性腺管を認め,間質組織を伴っておらず,endosalpimgiosis由来と推測され,極めて稀な子宮体癌I期と診断した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 161-161, 2003


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