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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1)
CDDP併用放射線療法が著効したが副腎転移から急激な転機を来たした子宮体癌(重複癌疑い)の1例


末盛 友浩, 杉原 一廣, 玉田 裕, 山下 博, 田中 淳, 板倉 鉱一, 新井 宏治
国立病院東京医療センター産婦人科


 子宮内膜癌の副腎転移は文献上報告が無い.我々は,肺への遠隔転移を認める子宮体癌・腟癌に対しcis-platinum(CDDP)併用によるconcurrent chemoradiationを施行し一旦著効したが,副腎転移を来した貴重な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
 症例は42歳.0経妊0経産.家族歴に特記事項なし.平成13年末より不正性器出血と帯下異常を主訴として近医受診.平成14年1月10日,腟癌疑いにて当院紹介となった.組織学的検索では子宮体癌(endometrial carcinoma)と腟癌(squamous cell carcinoma)の重複癌であった.肺への遠隔転移を認めたためCDDP Weekly投与(30mg/week)と放射線療法を併用したところ,画像診断と細胞診よりCR(Complete Response)を得た.しかしながら,平成14年7月,高血圧症を来たしたためCTを用いて検索し副腎転移を発見,針生検にて子宮体癌の副腎転移を病理組織学的に確認した.直ちに副腎転移病巣に対して経皮的エタノール注入療法(PEIT)・放射線療法・化学療法を施行したがPD(Progressive Disease)であった.
 また,本症例の生検組織(子宮内膜,腟壁,転移巣)がいずれも類似した低分化なcarcinomaの組織像を呈していたため病理学的検索で子宮体癌と腟癌の同時性重複癌か,子宮体癌の腟転移かの診断が非常に難しく苦慮した.上皮骨格に対してcytokeratin,vimentin,CEA等免疫組織化学的検索を施行しても確定診断は不可能であり分子生物学的検索を重複癌の診断に導入する必要性を感じた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 163-163, 2003


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