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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(1)
卵巣癌肉腫への悪性転化を伴う成熟奇形腫の一例


横山 安哉美, 高島 明子, 桝谷 法生, 深谷 暁, 三宅 潔, 矢野 ともね, 大高 究, 木下 俊彦, 伊藤 元博
東邦大学付属佐倉病院産婦人科


 成熟奇形腫に伴う悪性転化は多くは扁平上皮癌であるが,今回卵巣癌肉腫への悪性転化を伴った稀な一例を経験したので報告する.症例は50才5経妊1経産.2〜3か月前からの腹部膨満感,腹痛を主訴に前医受診し卵巣嚢腫を指摘された.下腹部痛の増強と39℃台の熱発にて平成14年6月17日当院救急外来を受診.超音波上10cm大の成熟奇形腫を疑う腫瘍を認めた.腫瘍マーカーはCA19−9 385U/ml,CA125 122U/mlであった.炎症反応が陽性(WBC 10790/μl,CRP11.8mg/dl)であったため抗生剤で治療後,6月24日成熟奇形腫の診断で右付属器切除術を施行した.10cm大の右卵巣腫瘍が小腸壁に埋没するように癒着していた.摘出標本の病理診断はcarcinosarcoma arised in mature cystic teratomaであったため,7月8日単純子宮全摘術+左付属器切除術+大網切除術+小腸部分切除術+高位前方切除術を施行.小腸が一塊となり,S状結腸と癒着し,小腸,大腸,腸間膜,大網に大小多発性の転移性病巣(squamous cell carcinomaの所見)が認められた.術後1か月後下血と左下腹部に腫瘤を認めたが,Paclitaxel 175mg/m 2+Carboplatin(AUC=5)を6クール投与したところ,下血の減少を認め,化学療法継続中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 165-165, 2003


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