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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
卵巣腫瘍(3) G-CSF産生卵巣嚢胞腺癌線維腫の1例
種元 智洋, 石塚 康夫, 北條 めぐみ, 長尾 充, 久志本 建
町田市民病院産婦人科
G-CSF産生腫瘍は,婦人科領域では比較的稀な腫瘍である.今回我々はG-CSF産生が確認された卵巣嚢胞腺癌線維腫の1例を経験した.本症例は術前の血清G-CSF 235pg/ml,M-CSF 437pg/ml,白血球が30900/μlと高値であり,摘出卵巣組織が抗G-CSFモノクローナル抗体による免疫組織染色で染色されたことよりG-CSF産生卵巣癌と診断した.症例は55才,未経妊,腹部腫瘤にて近医より紹介される.末梢血検査で腫瘍マーカーはCA125が58U/mlと軽度上昇また白血球数が高値のため内科で骨髄穿刺を施行している.内診所見は,子宮は鶏卵大で可動性不良であり,臍高に達する腫瘍を触知し,超音波検査及び腹部CTで内部に一部充実性成分を伴う腫瘍を認めた.以上より卵巣悪性腫瘍の疑いにて平成14年12月20日に手術を施行する.開腹所見は,血性腹水を少量認め,左卵巣は小児頭大に腫大しており子宮体部と軽度の癒着を認めた.子宮は鶏卵大,右卵巣は肉眼的に正常であった.腹式単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した.術後病理組織診断は卵巣嚢胞腺癌線維腫であった.術後血清G-CSF値及び白血球数は正常化した.以上よりG-CSF産生卵巣悪性腫瘍につき文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
169-169, 2003
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