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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
術前に診断し得たovarian massive edemaの一例


国東 志郎1), 小田 華子1), 松岡 良衛1), 池谷 美樹1), 高野 浩邦1), 三沢 裕子1), 古賀 良一1), 磯西 成治1), 中林 豊1), 杉田 元1), 木村 英三1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学第三病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)


 卵巣広汎性浮腫(massive ovarian edema)とは卵巣間質内浮腫により生じる腫瘍様卵巣腫大と定義される術前診断の困難な比較的稀な疾患である.今回我々は術前画像診断にてmassive ovarian edemaと診断し得た一例を経験したのでここに報告する.症例は27歳,右下腹部痛にて平成14年8月29日前医受診.卵巣腫瘍茎捻転の疑いにて同日当科紹介受診.初診時の検査所見はWBC8300/ul,CRP0.1mg/dlと炎症反応を認めず,他の生化学検査も異常を認めなかった.腫瘍マーカーはCA-125:8U/ml,CA19-9:7U/ml,CEA:0.8ng/mlでありいずれも正常範囲であった.経膣超音波にて右卵巣腫大,同部位に圧痛,反跳痛を認めた.CT上,造影効果を示さず,卵巣辺縁にリング状の高濃度結節が多発しており,MRI上,卵巣辺縁部の卵胞の集積,中心部の浮腫状の間質を認める所見により,右卵巣嚢腫茎捻転による卵巣広汎性浮腫と診断し,同日緊急手術を施行した.肉眼的に右卵巣は径6cm大,浮腫状で青色に変色し,360度の捻転を認めたため,右付属器摘出術を施行した.術後病理検査ではびまん性に出血を伴い間質は浮腫状で虚血性の変化を認めた.本疾患につき文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 171-171, 2003


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