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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
卵巣硬化性間質性腫瘍を伴った子宮体癌の1例


小野 恭子, 坂本 明之, 岡 賢二, 伊東 和子, 塩沢 丹里, 小西 郁生
信州大学産婦人科


 卵巣硬化性間質性腫瘍(sclerosing stromal tumor)は月経不順を訴える若年女性に認めることが多い.今回,卵巣硬化性間質性腫瘍で子宮体癌を合併した1例を経験した.症例は43歳,0回経妊,未婚の女性である.2002年1月より不正性器出血が出現し,8月に前医を受診しHb 2g/dlと高度の貧血を指摘され,子宮体癌を疑われ当科紹介となった.下腹部に腫瘤を触知し,超音波およびMRI検査にて子宮内膜の肥厚と子宮前方に径7cmの充実性腫瘤を認めた.子宮内膜組織診は類内膜腺癌G2であり,血中腫瘍マーカーはCA125値が222U/mlと高値であった.子宮前方の腫瘤はMRIのT1強調画像で低信号,T2強調画像で辺縁は高信号/内部は低信号を呈し,腫瘤全体に造影効果が認められた.子宮体癌および辺縁に浮腫を伴う子宮筋腫と診断したが,開腹時,充実性の左卵巣腫瘍と判明した.腹式単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤内および傍大動脈リンパ節隔清術を施行した.摘出標本の組織学的検討で子宮には類内膜腺癌G2を認め,子宮体癌Ib期であった.左卵巣腫瘍は膠原繊維を背景に円形細胞と紡錘形細胞が認められる部分と細胞成分が乏しく硝子化の著明な部分を認め硬化性間質性腫瘍と診断された.組織学的考察および子宮体癌の合併についての考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 173-173, 2003


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