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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
卵巣腫瘍(5) 当科における境界悪性卵巣腫瘍の診断と臨床経過についての検討
久野 達也, 香坂 信明, 古野 元子, 稲葉 不知之, 山崎 龍王, 亀森 哲, 太田 順子, 深澤 一雄, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科
【目的】当科における境界悪性卵巣腫瘍について診断と臨床経過について検討した.【方法】1995年1月から2002年4月までに当科で境界悪性卵巣腫瘍と診断した16例について検討した.【成績】年齢は24歳から83歳で,平均年齢は50.4歳であった.MRIおよび超音波断層法による画像診断で腫瘍径10cm以上が14例,10cm未満が2例であった.また13例に充実性病変が伴っていた.腫瘍マーカーではCA125の値が,6例で35U/ml以上であった.術前に境界悪性を疑った症例は3例のみであった.術式は腹式単純子宮全摘出術+両側付属器切除術が3例,腹式単純子宮全摘出術+両側付属器切除術+大網切除術が3例,付属器切除術が8例,嚢腫摘出術のみが2例であった.組織像は漿液性境界悪性が5例,粘液性境界悪性が11例で,粘液性境界悪性が多かった.病期分類はIa期が9例,Ic期が7例であった.術後追加療法を施行した症例は無く,全例において再発を認めていない.【結論】境界悪性卵巣腫瘍の術前診断は,画像および腫瘍マーカーで悪性腫瘍との鑑別が困難であると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
175-175, 2003
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