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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
子宮筋腫/肉腫 子宮肉腫の2例
長谷川 晶子, 山崎 輝行, 波多野 久昭
飯田市立病院産婦人科
子宮肉腫は中胚葉性起源の比較的稀な腫瘍で,頻度は全子宮悪性腫瘍中,2〜6%である.今回我々は,2例の子宮体部原発の子宮肉腫を経験した.【症例1】75才,3回経産.既往歴;くも膜下出血.脳神経外科入院中に下腹部腫瘤を指摘され,平成13年7月13日,当科紹介受診.MRIにて変性子宮筋腫が疑われたため,経過観察となった.平成14年6月6日,下肢浮腫にて近医産婦人科を受診.卵巣癌が疑われ当科紹介受診となった.MRIを施行すると,1年前のMRI像とは全く異なり,子宮肉腫が疑われた.また,LDH 2167IU/mlと上昇も認めた.同年7月3日,単純子宮全摘術,両側付属器切除術施行.病理結果は,endometrial stromal sarcoma(high grade),leiomyoma合併.【症例2】56才,2回経産.53才閉経.既往歴なし.平成14年11月頃より腹囲の増大を自覚.12月2日より不正性器出血を認め,当科紹介受診.精査の結果,巨大子宮筋腫が疑われ年明けに手術を予定していた.平成15年1月11日,腹部膨満,腹痛,下肢浮腫のため入院.1月15日,単純子宮全摘術,両側付属器切除術,転移巣摘出術施行.病理結果;leiomyosarcoma.術後,浮腫は軽快せず,増悪傾向を認めた.術後14日目にCT施行.骨盤内に径78×62mm大の腫瘤,両側大腿静脈〜腸骨静脈〜下大静脈下端まで血栓が認められた.同日,IVHフィルターを挿入し,現在,化学療法(CYVADIC療法)施行中である.文献的考察を含めて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
177-177, 2003
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