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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
子宮筋腫/肉腫 当科の婦人科肉腫・癌肉腫に関する臨床検討
岡本 三四郎, 藤井 和之, 芝崎 智子, 斉藤 恵子, 高野 政志, 笹 秀典, 喜多 恒和, 戸出 健彦, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科
婦人科領域の肉腫・癌肉腫で最も多いのは子宮肉腫・癌肉腫であるが,子宮悪性腫瘍の中では稀で,その頻度は2%前後である.また多くは術前診断が困難で,開腹術後の病理組織検査にて確定診断が得られる.しかも残存腫瘍に対しては,術後の放射線療法や化学療法に奏効せず予後は極めて不良である.そこでわれわれは1992年から2002年までの間に当科で経験した婦人科肉腫・癌肉腫22例について,その術前の検査および画像診断と術後の病理診断および治療について後方視的に検討したので他の文献も加えて報告する.年齢は28歳から86歳で,平均58歳であった.病理組織型は平滑筋肉腫(LMS)4例,子宮内膜間質肉腫(ESS)1例,癌肉腫(MMT)17例であった.主訴の多くは不正性器出血で,LDHとCA125が有用な腫瘍マーカーと考えられた.子宮体癌のFIGO手術進行期によるとI期5例,II期2例,III期11例,IV期4例と21例中14例が進行症例であった.治療は手術療法を施行後,CYVADIC療法,CAP療法,TJ療法などの化学療法が行われ,放射線療法を併用したものは4例のみであった.婦人科肉腫・癌肉腫は早期発見が困難な上,治療法抵抗性のため予後不良の疾患で,術後腫瘍が残存した場合の長期生存はほとんど期待できないのが現状である.早急に有効な治療法の確立が望まれる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
178-178, 2003
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