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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
子宮筋腫 ヘモキューTMを用いた腹腔鏡下子宮筋腫核出術における出血量算定の有用性
大島 正行1), 島田 洋一1), 菊地 盤2), 北出 真理2), 武内 裕之2), 木下 勝之2)
日本医科大学麻酔科学教室1), 順天堂大学産婦人科2)
腹腔鏡下子宮筋腫核出術においては,出血部位や止血の確認のため生理食塩液での洗浄を行なうために,正確な出血量の算定が困難である.今回われわれは,ヘモキューTMを用いて術中の出血量を算定した.【対象と方法】腹腔鏡下で子宮筋腫核出術を行なった20症例.対象患者は,平均年齢35.4歳,身長159.6cm,体重50.7kgであった.生理食塩液使用終了後に回収液を採取し,ヘモキューTMを用いてヘモグロビン(Hb)を測定した.出血量は,(回収液量)×(回収液中のHb)÷(術前のHb)で算定した.【結果】回収液のHbは全例で測定可能であった.測定したHbは0.2-4.7g/dl,算定出血量は17.6-725.2gであった.【考察】洗浄液を使用する場合の出血量の推定は困難な場合があり,従来は回収液から使用した生理食塩液を引いて算定していたが,時にマイナスとなる場合や術者の臨床経験との相違が生じる場合がある.また腹膜からの生理食塩液の吸収量を予測することは困難である.今回,回収液のHbは,ヘモキューTMを用いて全例測定可能で,算定出血量は,術者の経験による推定出血量とおおむね合致した.TUR-P手術時のヘモキューローTMを用いた出血量算定の有用性の報告があり,腹腔鏡下子宮筋腫核出術でも有用であった.しかし,卵巣嚢腫内容物などが腹腔内に流出した場合には誤差が大きいと思われ,今後の検討課題と思われた.【結語】腹腔鏡下子宮筋腫核出術において,ヘモキューTMは操作が簡便で出血量の算定に有用であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
180-180, 2003
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