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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
その他 なぜ,「婦人科」でなく「女性専門外来」の受診を希望するのか?
星野 寛美1), 草鹿 砥千絵1), 渡邊 理子1), 根本 明彦2), 斎藤 一夫2), 袖本 武男2), 関 博之1)
関東労災病院働く女性メディカルセンター関東労災病院産婦人科1), 関東労災病院産婦人科2)
「女性専門外来」が好評で,全国各地で開設されつつある. 当院でも,勤労女性の疾病の早期発見および早期治療を目指し,平成13年10月「働く女性専門外来」を開設した.当外来の概要については,前回の当学会で報告したとおりである. 今回は,婦人科疾患を患う女性が,なぜ,通常の「婦人科外来」ではなく,「女性専門外来」の受診を希望するのかについて注目し,平成14年7月より平成15年1月までに,当院の女性専門外来を新患で受診した253名の内,婦人科疾患を有していた207名について,受診の際に行ったアンケートを分析し,その受診行動について報告する. アンケートは,上記の207名中,202名より回収した(回収率97.6%).年齢は,13歳から79歳までで,平均37.0歳であった.受診動機(重複回答あり)として最も多かったのは,「担当が女性医師」で152名(75.2%),次いで「症状に関係なく女性の身体を総合的に診る外来だから」が126名(62.4%)となっていた. 前医の有無については,110名(54.5%)が「ある」と答え,その転院の理由には,前医でのトラブル(説明不充分等)が45名(40.9%)から挙げられていた.また,前医が「ない」89名(49.1%)中,38名(42.7%)は「どの病院,診療科を受診すればいいのか悩んでいた」としている. 上記の結果より,総合診療部の女性版としての「女性専門外来」の存在意義が大きく,この外来の開設により,女性の受診行動が促進されているものと考えられた.また,通常の婦人科診療においても,全人的アプローチの希望が多いことを念頭に置いて診療する姿勢が必要であることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
181-181, 2003
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