|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
その他の腫瘍(1) 50代の胞状奇胎2例
中山 裕敏, 三宅 勝, 吉田 正平, 森竹 哲也, 宇田川 義之, 園田 隆彦, 荻野 雅弘
東京警察病院産婦人科
当科では最近,50代の胞状奇胎を2例経験したので報告する.症例1.51歳,6回経妊5回経産1人工妊娠中絶.月経歴;初経12歳,28日型,順.最終月経;平成12年3月27日より3日間.現病歴;性器出血を主訴に平成12年7月近医受診,不全流産疑いとの診断受ける.平成12年7月26日当科受診.子宮鵞卵大,尿中hCG 349000mIU/ml,血中hCG-βサブユニット397ng/ml,尿中hCG-βサブユニット586ng/ml.血管造影にて子宮内に腫瘍陰影認めた.8月15日腹式単純子宮全摘術+両側附属器切除術施行.病理診断;全胞状奇胎,絨毛形態を認める.最大で子宮筋層の1/2の深さまでの筋層への侵入を認める.術後のhCG値は順調に下降し,外来にて経過観察を行った.症例2.50歳,2回経妊2回経産.月経歴;初経13歳,不順.既往歴;特記すべき事なし.最終月経;平成13年3月8日より3日間.現病歴;性器出血を主訴に平成13年5月30日当科受診.子宮手拳大,子宮内膜細胞診classIII,trophoblast様細胞認める.内膜組織診にて絨毛認める.骨盤CTにて子宮内にirregularに強く腫瘍陰影を認める.尿中hCG 315mIU/ml,血中hCG-βサブユニット275ng/ml,尿中hCG-βサブユニット138ng/ml.7月10日腹式単純子宮全摘術+両側附属器切除術施行.病理診断;非侵入全胞状奇胎.異型絨毛細胞高度増生を伴い,絨毛形態を認める.術後のhCG値は順調に下降し,外来にて経過観察を行った.以上の症例の提示に加え,若干の文献学的考察を含めて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
187-187, 2003
|