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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
不妊 夫HIV陽性,妻HIV陰性の夫婦における不妊治療:洗浄精子ICSIによる妊娠達成
近藤 憲一1), 神野 正雄1), 兼子 智2), 加藤 真吾3), 酒井 謙1), 井上 保4), 岩下 光利1), 中村 幸雄1)
杏林大学産婦人科1), 東京歯科大学市川病院産婦人科2), 慶應義塾大学微生物学教室3), 北里サプライ社長4)
夫HIV陽性,妻HIV陰性の不妊夫婦において,妻および児がHIVに感染することなく妊娠を達成することを目的とした.学内倫理委員会の承認ならびに夫婦の同意を得た上で,Percoll連続密度勾配法およびswim-up法により精子を洗浄しHIVを除去した.HIV混入の無いことを超高感度RT-nested PCR法(検出感度1copy)にて確認し,この洗浄凍結精子を用いてICSIを行った.5組の夫婦にICSIを施行し,6.0±2.6個の受精卵を得,2.8±0.6個の胚を移植した.3例が継続妊娠に至り(妊娠率60%),2例が双胎,1例が単胎であった.現在まで妊娠経過は正常で,また全例で妻のHIV感染を認めていない.なお2002年10月9日に採卵およびICSIを施行した妊娠例は,HIV除去洗浄精子ICSIによる本邦最初の妊娠例であった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
191-191, 2003
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