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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
不妊
当院不育症外来における臨床統計


上原 克彦, 宮越 敬, 服部 純尚, 松本 直, 上野 和典, 田中 守, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶応義塾大学病院産婦人科


 (目的)不育症における子宮内腔異常,内分泌異常,免疫学的異常の発生頻度を検討することを目的とした.(方法)1998〜2001年に当院不育症外来を受診した患者(既往流産回数≧3回,生児0人)155名を対象とした.対象例において夫婦染色体検査,子宮卵管造影検査,血液検査(抗リン脂質抗体,抗核抗体,甲状腺機能)を施行し,その検査結果を後方視的に検討した.また,既往流産回数別に次回妊娠の予後を評価した.(結果)子宮内腔異常および夫婦染色体異常例は,それぞれ10人(6.5%),11人(7.1%)であった.また,抗リン脂質抗体および抗核抗体陽性は12人(7.7%),62人(40.0%)であった.甲状腺機能異常は3人(1.9%)であった.また,抗リン脂質抗体,子宮内腔異常または夫婦染色体異常を有する患者は31人(20.0%)であった.一方,次回妊娠流産率は,既往流産回数が3回では31.8%,4回では48.6%,5回では47.8%,6回では77.8%,7回では66.7%であった.さらに,既往流産回数が8回以上の患者6例全例流産に至った.(考察)治療に抵抗し流産を繰り返す難治性不育症患者も存在すると考えられる.したがって,今後不育症の新たな原因の検索が必要であろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 192-192, 2003


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