関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
内膜症・その他
異所性卵巣に発生したendometrial cystの1例


有木 さおり, 竹下 茂樹, 清水 泰樹, 司馬 正浩, 堀 祐子, 大江 英一, 村瀬 隆之, 梁 栄治, 篠塚 憲男, 綾部 琢哉, 森 宏之
帝京大学産婦人科


 症例は44歳,2回経妊2回経産婦,平成11年,虫垂切除 3〜4年前から子宮筋腫,右卵巣チョコレート嚢胞のために定期的に経過観察をされていた.平成14年10月12日,転倒し腹部を強打,その後下腹部痛が増悪したため当院婦人科を受診した.経腟超音波で直径10cm大の嚢胞性腫瘤とダグラス窩のエコーフリースペースを認めた.血液生化学検査は,白血球12,700 CRP 0.44mg/dlで軽度の炎症反応をみとめた.卵巣チョコレート嚢胞破裂として緊急手術を行った.開腹するとダグラス窩に15cm×9cmの卵円型の嚢胞を認め一部破裂してチョコレート色で粘稠な嚢胞内容が流出していた.嚢胞は子宮後面に癒着していたが,卵巣との連続性はなく,明らかな血流も認めなかった.両側卵巣は正常の位置に存在し,子宮内膜症の所見は認めず正常大であり,子宮は軽度腫大していた.腹腔内には明らかな子宮内膜症病変,癒着は認めず,嚢胞を摘出して閉腹した.術後経過は順調で,10日目に退院した.病理検査で嚢胞壁外周には卵巣皮質組織が,嚢胞壁には間質を伴った子宮内膜腺がみられ,子宮内膜症が異所性卵巣に発生したと診断した.両側卵巣が正常に存在し異所性に卵巣組織をみとめるものはsupernumerary ovaryと定義されている.Supernumerary ovaryは,胎生期における生殖細胞の異所性の発生により腸間膜,大網,骨盤腔,後腹膜などに存在すると報告されている.したがって通常の卵巣の位置と異なる部位の不整な腫瘍性病変に関して,頻度は低いが本疾患の可能性も念頭に置くべきであると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 193-193, 2003


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会