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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
血栓塞栓症 腹腔鏡下手術により肺塞栓症を発症した3症例の検討
牧野 真太郎, 村山 敬彦, 臼井 真由美, 斎藤 麻紀, 斎藤 正博, 林 直樹, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
近年,産婦人科領域における肺塞栓症(PE)の増加が報告されている.妊娠,悪性腫瘍の術後発症が多いが,欧米では腹腔鏡下手術後の報告もある.今回,当センターでも3例の腹腔鏡下手術によるPEを経験したので報告する.[症例1]33歳女性,2G1P. 3年間の不妊及び月経不順にて当科初診.多嚢胞性卵巣症候群の診断のため,腹腔鏡下両側卵巣焼灼術(手術時間1時間17分,起腹圧6mmHg以下)を施行.術直後より心電図異常,低酸素血症,徐脈を呈し,また,胸痛,呼吸困難等の自覚症状も出現.肺換気血流シンチによりPEと診断し,抗凝固療法を施行した.[症例2]47歳女性,6G3P,肥満有り.子宮筋腫,子宮腺筋症を認め,Gn-RH療法施行後に腹腔鏡下膣式子宮全摘術(手術時間3時間26分,起腹圧 6mmHg以下)を施行.術後1日目に心電図異常,低酸素血症が出現.肺換気血流シンチによりPEと診断し,抗凝固療法を施行した.[症例3]35歳女性,3G1P.腹痛を主訴に当科受診.左卵巣嚢腫,子宮筋腫を認めたため腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術,子宮筋腫核出術(手術時間3時間20分,起腹圧6mmHg以下)を施行.術後1日目に胸痛,呼吸困難が出現.肺換気血流シンチによりPEと診断し,抗凝固療法を施行した.(結果)いずれの症例も治療により改善し退院となった.症例を提示するとともに,発症要因,診断,治療につき考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
197-197, 2003
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