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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
性器の異常
子宮溜血腫をきたした片側膣閉鎖を伴う重複子宮,同側腎無形成の一例


高嶺 智子, 金子 みすず, 金 順熙, 久保田 敏郎, 麻生 武志
東京医科歯科大学産婦人科


 生殖器と泌尿器の形成は発生学上密接に関係しており,生殖器系の奇形に泌尿器系の奇形がしばしば合併する.今回我々は片側腟閉鎖を伴う重複子宮で同側の子宮腟溜血腫をきたした,同側腎無形成を合併した症例を経験したので報告する.
 症例は15歳,月経時の強い下腹痛を主訴として他院外科受診した.腹部CTにて双角子宮で左側子宮が閉鎖,左子宮内血腫,左腎無形成が認められた.膀胱鏡では膀胱三角部は右半分のみ形成され,右尿管口は正常位置に認めるが,左尿管口は認めなかった.当科で行ったMRIでも上記の所見を確認し,先天性左腎欠損に加え,双頚双角子宮,重複腟で左側の腟閉鎖を伴った症例と診断した.左子宮腟溜血腫に対し経腟的な腟隔壁の切開,開窓術,ドレナージを施行した.切開部より,触診上左腟内及び左子宮腟部が確認された.その後月経時の下腹部痛は軽減,超音波断層所見上も溜血腫は認められてない.以上より超音波,MRIなどの所見で診断し,開腹術をせずに子宮腟溜血腫を治療できる可能性が示された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 200-200, 2003


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