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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
産科統計(1)
当院で経験した常位胎盤早期剥離症例に関する検討


小澤 克典, 菊池 信正, 戸松 邦也
館林厚生病院産婦人科


 【目的】常位胎盤早期剥離(以下早剥と略す)は母児共に対し重篤な障害をもたらす危険の高い産科救急的疾患である.当院で経験した早剥症例を検討したので報告する.【方法】1997年1月より2002年12月の間に経験した12症例(分娩総数2675人,早剥発症頻度0.45%)を検討した.【成績】対象患者12症例に関して平均年齢31歳(25−37歳),分娩時の平均妊娠週数33週1日,早剥発症(下腹部疼痛の臨床所見等)からほとんどの場合5時間以内に帝王切開(91.7%)となっている.分娩時の平均出血量は1201mlで1000ml以上の出血は7症例(58.3%)で輸血は4症例(33.3%)に実施された.12症例中3症例が初産(25%),9症例が経産(75%)であり,妊娠中毒症の合併は4症例(33.3%)子宮内膜症の合併が3症例(25%)に認められた.子宮奬膜面血液浸潤は8症例(66.7%)に認め,胎児死亡は4症例(33.3%)に存在した.胎児死亡の4症例のうち3症例はIUGRを認め,12症例の内2症例(16.7%)は前回も早剥を起こしていた.早剥発症から2時間以内に帝王切開を施行した症例では胎児死亡を認めず,できるかぎり早期に娩出することが重要であった.早剥の重症度分類であるPageの分類を参考にすると12症例とも2度以上であり,9症例(75%)は3度に属するもので治療には苦慮するものであった.【結論】早剥の発症機序はいまだ解明してはいないが重要なリスクといわれる妊娠中毒症や前回早剥などの臨床所見は,今回の検討でも発症のリスク因子として考えられ,厳重な周産期管理はもちろんのこと,できるかぎり初期症状を見のがさず,素早い対応が重要であることが確認できた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 200-200, 2003


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