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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
産科統計(1)
当院における頚管無力症症例の背景因子と予後に関する検討


奥平 忠寛1), 村岡 光恵1), 高木 耕一郎1), 太田 博明2)
東京女子医科大学第二病院産婦人科1), 東京女子医科大学産婦人科2)


 近年,早産予防に対する頚管縫縮術の有用性についての比較対照試験が行われるなど,その有用性が再検討されている.我々は平成7年から平成13年までの7年間に当院で分娩となった4909例中,頚管無力症の臨床診断をしえた分娩例13例(0.26%)について,分娩時年齢,後期流産,早産既往の有無,円錐切除術の既往,頚管裂傷の既往,頚管縫縮術施行時期,術後入院日数,分娩週数などについて検討を行った.対象の平均年齢(mean±SD)は32.8±4.3歳(23〜41),既往歴では後期流産6例(46%),早産3例(23%),円錐切除2例(15%),頚管裂傷1例(7.5%)で,頚管無力症のリスクを有するものが12例(92%)とほとんどを占めた.頚管縫縮術の術式では10例がシロッカー氏手術,1例がマクドナルド氏手術であった.手術施行時期は平均17.4±3.9週(13〜25),手術時の平均入院期間は17.0±7.3日間(9〜36)であった.一方,2例において頚管縫縮術を行わず安静入院管理を行ったが,それらの入院時期は妊娠29週と31週で,入院期間はそれぞれ64日間また55日間であった.分娩週数は平均38.2±0.9週(37〜40)で,全例満期産であった.当院における頚管縫縮術は予防的に行ったシロッカー氏手術が殆どであり,その妊娠分娩予後は良好であった.予防的頚管縫縮術はリスクを有する例には有用であることが示唆されたが,妊娠経過中に子宮口の無症候性開大を認める例における有用性は今後なお検討を要する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 202-202, 2003


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