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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
妊娠・分娩(3) 当科における最近の子宮外妊娠の現状
久保田 和子, 安部 和子, 今井 美和, 鹿沼 史子, 五十嵐 茂雄, 伊藤 理廣, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
2002年1月から12月までに当科で手術に至った子宮外妊娠14例について検討した.平均年齢は30.1±5.2歳,9例(64%)が不妊治療後であった.全例,腹腔鏡を施行し,2例が開腹手術に移行した.手術時の血中hCGは375〜9850IU/lであった.卵管妊娠が11例(79%),うち1例は左卵管にGSが2個認められた.間質部,卵巣,腹壁妊娠が各1例ずつであり,全例不妊治療後であった.(1)「間質部妊娠」卵管因子で体外受精胚移植を行った周期に発症した.初期よりGSが間質部に認められ,エトポシドを服用したが,血中hCGの増加を認めたため腹腔鏡を施行した.(2)「腹壁妊娠」他医で男性因子による体外受精胚移植後,妊娠判定日に妊娠反応陰性であった.その直後認められた月経様出血終了後に子宮鏡を施行した.下腹痛の持続とプレショック症状を認め腹腔鏡を施行したところ壁側腹膜に出血している腫瘤を認め切除,絨毛を確認した.(3)「卵巣妊娠」多のう胞性卵巣の排卵障害に対する排卵誘発周期で発症した.子宮外にGS様エコー像を認めたため腹腔鏡を施行,卵巣表面に出血部位を認め切除したところ絨毛を認めた. 以上より,子宮外妊娠が疑われた場合,超音波検査や血中hCGを用いた厳重な検索が必要であり,特に不妊治療後は従来発生頻度が低いとされている子宮外妊娠部位への十分な検索も必要と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
210-210, 2003
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