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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
胎児・新生児(1) 双胎間輸血症候群(TTTS)16例のリスク因子の検討
井上 京子, 高木 剛, 篠崎 博光, 岡田 俊則, 亀田 高志, 勝俣 祐介, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科
【目的】一絨毛膜性双胎の10-15%にTTTSを発症することがあり,周産期予後不良であることが知られている.TTTSのリスク因子を明らかにする目的で今研究を行った.【方法】当科で経験したTTTS 16症例に関し,児出生体重,児体重差,発症週数,分娩週数,胎児水腫出現の有無から児生存率をretrospectiveに検討した.【成績】1.児体重差30%未満では生存率87.5%であり,30%以上では生存率25.0%であった.2.妊娠24週未満の発症例では生存率16.7%であったが,妊娠28週以降の発症例では生存率90.0%であった.3.妊娠26週未満の分娩例では生存率0%,28週以降は生存率75.0%であった.4.26週〜28週では生存率50%,その内供血児の生存率66.7%に対し受血児は33.3%であった.5.出生体重850g以上の供血児は分娩週数に関わらず全例生存していたが,受血児は生存率は37.5%であり出生体重との相関はなかった.6.胎児水腫の出現の有無と予後の検討では,胎児水腫が出現した受血児の64%は死亡したが,胎児水腫の出現しなかった受血児は60%が生存した.【結論】児体重差30%以上,分娩時26週未満の症例は予後不良であったが,一方児体重差30%未満,28週以降では予後良好であった.26週〜28週では供血児に比し受血児の予後が不良だった.供血児に関しては出生体重850g以上では予後良好であった.受血児では胎児水腫が出現した児の予後は不良であり,妊娠26週以降では胎児水腫出現以前のterminationが望ましいと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
229-229, 2003
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