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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(1)
当院における先天奇形の臨床的検討


王 恒伊1), 長野 宏史1), 池田 申之1), 仁科 秀則1), 中村 靖1), 吉田 幸洋2), 木下 勝之1)
順天堂大学産婦人科1), 順天堂浦安病院産婦人科2)


 平成12年1月より平成14年12月までに当科で分娩となった先天奇形85症例の胎内診断週数,当院に紹介となった週数,分娩週数を比較検討することにより,先天奇形症例の取り扱いに関する考察を行った.その内の74症例(87%)は他院からの紹介症例であった.85症例の内訳は中枢神経系の異常21例,循環器・脈管系の異常15例,呼吸器系の異常14例,腹部の異常21例,泌尿器系の異常10例,骨格・筋の異常3例であった.胎児診断週数は中枢神経系の異常29.5週,循環器・脈管系の異常33.5週,呼吸器系の異常29.5週,腹部の異常31.2週,泌尿器系の異常26.4週,骨格・筋の異常21.0週であった.当院紹介週数は中枢神経系の異常31.2週,循環器・脈管系の異常34.0週,呼吸器系の異常30.6週,腹部の異常32.7週,泌尿器系の異常28.9週,骨格・筋の異常24.0週であった.分娩週数は中枢神経系の異常36.5週,循環器・脈管系の異常37.4週,呼吸器系の異常35.1週,腹部の異常35.5週,泌尿器系の異常35.7週,骨格・筋の異常37.8週であった.一般に胎内診断は超音波断層法検査によって行われるが,今回の検討では,いずれの疾患も診断可能とされる時期より数週間の診断の遅れがあり,さらに診断から紹介まで最長2.5週間の差を認めた.腹部の異常では紹介から分娩までの期間が短い事を考慮すると,これらの疾患に関しては診断されたらすみやかに高度医療機関への紹介が必要と考えられる.今後一般病院・産院に通院中の同意の得られた妊婦に対して,専門医による超音波検査の機会を考慮することも重要であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 229-229, 2003


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