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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(2)
胎児腸重積症のため小腸閉鎖による腹水を呈した症例


山本 祐華1), 田嶋 敦1), 木村 美葵1), 池田 申之1), 仁科 秀則1), 中村 靖1), 吉田 幸洋2), 木下 勝之1)
順天堂大学産婦人科1), 順天堂浦安病院産婦人科2)


 【緒言】胎児腹水の原因として胎児水腫,消化管穿孔による胎便性腹膜炎が知られている.今回,胎児腹水と羊水過多が著明であり,出生後,腸重積症のため小腸閉鎖による腹水と診断された一例を経験したので報告する.【症例】27歳,2経妊2経産,妊娠34週の胎児超音波検査で胎児腹水,羊水過多を認めたため,紹介受診となった.超音波検査では,AFI 29.4,胎児腹水はあるが,胸水,皮下浮腫,心奇形はなく,腸管・腹腔内の石灰化,腸管拡張像も認めなかった.TORCH等は陰性であり,腹水の原因検索と,羊水過多及び切迫早産管理目的に入院.経過中,徐々に腸管拡張像が認められ腸管穿孔が疑われたが,石灰化像もなく,蠕動も保たれ,胎児もwell-beingの状態であったため,経過観察とした.入院後羊水過多が増悪したため,羊水穿刺吸引術を2回施行し減圧をはかった.妊娠36週1日に陣痛発来し,分娩中に高度の変動一過性徐脈が出現し,non-reassuring fetal stateの診断で鉗子分娩となった.児は2998gの男児でApgar7-8,臍帯動脈血pH7.367,外表奇形,胎児水腫は認めなかった.出生後腹水は著明に減少し,腹膜炎症状なく,日令2に経口投与を開始した.しかし排便が認められず,注腸検査を施行したところ,小腸閉鎖を認め緊急手術となった.手術所見より回腸の腸重積症を原因とする回腸閉鎖と診断された.【考察】胎児腹水の原因は不明であったが,適切な胎児と母体管理のもとで,分娩後に新生児期の異常から腸重積症が判明した.稀な胎児腸重積症の症状と妊婦管理の問題点を考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 230-230, 2003


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