関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(3)
児喉頭閉鎖を出生前に診断し臍帯非切断下胎児気道確保術(EXIT)にて救命し得た症例


大貫 裕子, 川名 有紀子, 丸茂 元三, 菊池 昭彦, 久具 宏司, 上妻 志郎, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 先天性喉頭閉鎖症は出生直後に重篤な呼吸不全が予想されるため,分娩時の迅速な気道確保が必要である.今回我々は出生前に喉頭閉鎖症を診断し,帝王切開術と同時に臍帯非切断下胎児気道確保術(EXIT=ex utero intrapartum treatment)を施行し児を救命し得た症例を経験したので報告する.症例は26歳,初産婦.他院にて妊婦健診を受けていたが,妊娠22週で胎児腹水が認められたため,当科に紹介受診となった.超音波上,胎児腹水の他,拡張した肺の高輝度エコー像,横隔膜の平坦化が認められた.MRI上,気管及び気管支の走行は正常で,肺内の腫瘍は否定的であった.胎児の心機能は正常で,well beingも良好であったため,外来にて経過観察したところ,徐々に腹水は減少し,妊娠32週には完全に消失した.特徴的な拡張した肺の高輝度エコー像から胎児喉頭閉鎖症と診断し,妊娠39週0日,全身麻酔下に選択的帝王切開術を施行し,同時に臍帯非切断下胎児気道確保術(EXIT)を行った.胎児胎盤循環維持下で喉頭ファイバーによる胎児喉頭閉鎖の確定診断と気管切開術に成功した.術中超音波による胎児心拍監視を行い,臍帯の圧迫が原因と思われる徐脈を認めたが,児の体位変換にて回復した.児は2027gの女児,Apgar Scoreは1分後2点,5分後2点であった.母体の出血量は390mlであり輸血は施行せず,産褥8日目に退院となった.児は日齢3に呼吸器から離脱し,日齢108に退院となった.児の染色体検査の結果,5番短腕の欠失と16番の断片付加を認め,猫鳴き症候群,partial 16 trisomyと診断された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 232-232, 2003


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会