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第105回学術集会(平成15年6月8日)
【一般演題】
胎児・新生児(4) Pena-Shokeir syndromeの一例
加来 建志1), 飯塚 美徳1), 長田 久夫1), 増田 健太郎1), 坂本 理恵1), 関谷 宗英2)
千葉大学附属病院産婦人科1), 千葉大学大学院医学研究院生殖機能病態学2)
Pena-Shokeir syndromeは多発性関節拘縮,異常顔貌,肺低形成を主徴とする致死性奇形症候群で,種々の原因によるFetal akinesia deformation sequenceと理解されている.今回我々は妊娠25週時よりIUGRを認め,妊娠34週より胎動減弱,妊娠40週で誘発分娩後死亡,剖検にてPena-Shokeir syndromeと診断された1例を経験したので文献的考察を含めて報告する.症例の母親は23歳,0G0P.平成14年1月5日を最終月経として妊娠.妊娠29週6日,BPD:64mm(25週3日相当),FL:44mm(25週3日相当),EFBW:752gとIUGRを認め,後頚部には18mm大の嚢胞を認めた.妊娠31週6日,EFBW:807g,後頚部の嚢胞の他に側脳室の拡大を認めた為,妊娠32週4日当院紹介受診.BPD:70.9mm(28週3日相当),FL:45.8mm(26週1日相当),EFBW:881g.胎児超音波検査にて側脳室の拡大,後頚部の嚢胞を認め,AFI:10.2,UmARI:0.78であった.胎児MRIおよび羊水染色体検査施行し検査結果は46,XYであった.妊娠34週2日,胎動減弱を感じる.患者・夫に児の予後不良を伝え,自然経過観察とする.その後,胎動は見られなくなるも,羊水量は正常,臍帯動脈血流波形の逆流は認めず.妊娠40週4日,分娩誘発施行し,経膣分娩にて835gの男児を娩出.APS:1/1. UmApH:7.092.10分後,死亡確認.新生児剖検所見で,外観は眼間開離,高口蓋,耳介低位,小顎症,翼状頸,関節屈曲拘縮,尿道下裂,ゆり椅子状足底を認めた.解剖所見ではGlio-neurinal heterotopia,肺低形成,脳軟化,脳神経細胞の減少を認めた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2)
236-236, 2003
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