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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(1) 光線力学療法に対する静岡県産婦人科医の意識調査(40歳以下のCIN3の治療に関するアンケート調査より解析)
大井 豪一, 茂庭 将彦, 加賀 俊章, 中村 友紀, 小林 友季子, 沼野 由記, 川島 正久, 北村 公也, 小林 浩, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
「目的」静岡県子宮癌登録によると,40歳以下における子宮頚癌0期患者の発生が増加している.当科において1998年より,これら年代の婦人に発生した子宮高度異形成および子宮頚癌0期に対して,光線力学療法(PDT)を行っているが,発生率の増加に伴ったPDTの施行数は増加していない.そこで今回PDTの普及が遅延している原因を,県内の産婦人科医に対し施行した子宮頚部高度異形成と子宮頚癌0期(CIN3)に対する治療への意識調査のアンケートより解析した.「方法」静岡県産婦人科医師すべてに,40歳以下の婦人におけるCIN3の治療方法に対するアンケートを郵送し,無記名回収にて得られた回答において,PDTに関する項目よりPDTに対する意識を調査した.「結果」開業医60名,勤務医83名合計143名の回答を得た.子宮頚癌0期の挙児希望症例に対し最も多く選択された治療法は,円錐切除術(約73%)であった.また,PDTを選択した医師は11名(約8%)であり,これら医師のなかで,PDT治療を患者に勧めた比率および,以前よりこの療法に関心をもっている比率は,他の治療法を選択した医師に比し高率であった.また,PDTを知らない医師が約25%存在した.PDTが勧められない理由として,費用・入院期間に関する問題が約70%に存在した.「結語」PDTへの理解度はまだ十分とは言えず,この治療法のより一層の啓蒙活動が必要であることが明らかとなった.各医師のPDTへの理解を深めることにより,治療患者数の増加が得られる可能性が示唆された.一方,高額な治療費,長い入院期間などが大きな障害として存在するのも事実であり,これらの改善がPDTの普及に貢献すると思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
288-288, 2003
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