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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(1)
術前のMRIが診断の一助となった子宮頚部悪性腺腫の1例


大森 元, 大森 貴子, 佐野 弥生, 原田 洋子, 阿部 正和, 出向 洋人, 窪田 利幸
国立東静病院産婦人科


 子宮頚部悪性腺腫(Adenoma Malignum)は高分化型粘液性腺癌(内頚部型)の特殊型であり,頚部腺癌の約1%と稀な疾患である.頚部細胞診にて異常を認める事が少なく,また,組織学的にも正常な頚管円柱上皮と酷似した形態を取り,正常内頚腺との鑑別が困難であるため,早期の診断は難しいとされる.今回,我々は,術前のMRIが診断の一助となった子宮頚部悪性腺腫の一例を経験したので報告する.症例は42歳,1経妊0経産の女性.更年期症状を訴え前医受診.子宮筋腫,左卵巣嚢腫疑いにて平成15年2月3日当院紹介初診となった.初診時,超音波検査にて子宮頚部に約5cm大の嚢胞状腫瘤を認めた.子宮頚部細胞診class2,Corpo所見に異常認めず.術前MRIにて子宮頚部左側に5×4cmの葡萄房状の多胞性嚢胞腫瘍が認められた.腫瘍マーカーはCA125,CA19-9,CA72-4,SLXと全て正常範囲内であったが,水様透明な帯下を多量に認め,粘液中の腫瘍マーカーを測定した所,CA125:448U/ml,CA19-9:1600U/mlと高値を示した.子宮頚部悪性腺腫を強く疑い2月21日,準広汎子宮全摘術施行した.術後病理診断はAdenoma malignum,術後進行期はpT1b,N0,M0であった.後療法は施行せず,4ヶ月が経過した現在,異常を認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 289-289, 2003


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