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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍(2) 大網リンパ節に局所再発した子宮頚癌の一例
高橋 伸卓1), 村山 益生1), 平嶋 泰之2)
共立蒲原総合病院産婦人科1), 静岡県立がんセンター婦人科2)
子宮頚癌の再発部位として頻度が高いのは膣断端,骨盤内リンパ節であるが,腹腔内の他部位に出現することは稀である.今回我々は大網リンパ節に局所再発した子宮頚癌の一例を経験したので報告する.症例は53才,2経妊2経産.閉経51歳.既往歴に特記事項なし.(現病歴)平成12年10月31日,不正性器出血を主訴に受診.子宮頚部細胞診class1,子宮内膜組織診class2.平成13年1月23日不正性器出血あり,再診.子宮内膜組織診でpoorly differential SCC.子宮頚部細胞診でも同様の結果であった.その後の精査で子宮頚癌1b期と診断.血中SCCの上昇はなかった.2月27日,3月19日に術前動注化学療法(CDDP 60mg,PEP 10mg)計2クール施行後,4月20日広汎子宮全摘術,骨盤リンパ節郭清術を施行.術後病理診断はSCC,non-keratinizing type,pT1b2N0M0であった.以後外来で経過観察していたが,平成14年4月18日CT上右骨盤内に結節性病変出現.再発を疑い,5月29日エコー下に同部位を生検したところ,SCCであった.他部位に転移巣は認めないため,6月14日腫瘍切除術を施行.孤立性の大網リンパ節転移と考えられた.後療法としてCDGP 80mg/m2,IFM 1.5g/body×5日間,PEP 5mg/body×5日間を施行.副作用のため,投与量を減量し計2クール施行した.現在外来経過観察中であるが,再発を認めていない.本症例は孤立性の大網リンパ節転移をきたし,転移経路が不明な点が興味深い.若干の文献的考察を加え,報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
291-291, 2003
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