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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1) 当院における若年性子宮体癌の検討
太田 剛志, 寺尾 泰久, 木村 美葵, 高橋 晃, 田中 美香, 宮井 健太郎, 荻島 大貴, 吉田 学, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科
【目的】子宮体癌は一般的に50歳代に多く認められるが,近年40歳以下の子宮体癌発生率が増加している傾向にある.妊よう性の温存を希望する患者も多く,その取り扱いに苦慮することも多い.【方法】1991年1月から2002年12月に当院で経験した若年性体癌24例を検討した.挙児希望がある場合には,画像上子宮体部内膜のみに限局しており,子宮内膜全面掻爬でgrade 1である場合にMPA(Medroxyprogesterone Acetate)による保存治療を行った.【成績】若年性体癌24例のうち初回治療において根治手術を施行したのは16例,MPA(600mg/day)による保存治療を選択したのは8例であった.保存治療後の子宮内膜組織診によって腫瘍の消失がみられなかったために最終的に子宮摘出術を施行したのは5例,その5例のうち2例では妊娠が成立したが,生児を得られず再発した.非手術例は3例で,そのうち妊娠例は2例,非妊娠例が1例であった.【結論】MPA療法は若年患者にとって妊よう性を温存する治療法の1つであるが,手術をして進行癌と判明する症例や,最終的には肝転移によって死亡する症例もあるので,その適応と治療継続に際し慎重な判断が望まれる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
292-292, 2003
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