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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1) 双角子宮の片側に発生した子宮体癌の1例
渡邊 敦子1), 保坂 猛1), 佐藤 聡二郎1), 笹尾 麻紀1), 大熊 克彰1), 近藤 春裕1), 木口 一成1), 星川 咲子3), 干川 昌弘2), 田所 衛2)
聖マリアンナ医科大学産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学病理2), 聖マリアンナ医科大学病院病理部3)
子宮奇形に発生する子宮体癌は,比較的稀で術前の診断が困難なことが多いとされる.今回我々は,術後の検体から双角子宮片側より子宮体癌の発生を確認しえた1例を経験したので報告する.【症例】66歳,0経妊0経産,閉経55歳.既往・家族歴に特記事項なし.不正性器出血を主訴に平成14年10月19日近医受診,子宮腫瘍精査で当院紹介となる.内診上子宮は手拳大,付属器触知せず.膣鏡診にて膣内狭小化あり,内子宮口は1つのみ確認し,右方に偏位していた.子宮頚部細胞診クラスII,内膜細胞診クラスV,内膜組織診では強く悪性を疑うものの壊死組織多数により確定診断には至らなかった.子宮鏡にても子宮腔全周にわたる壊死組織のみを認めた.平成14年12月10日広汎子宮全摘術および骨盤リンパ節郭清施行,摘出標本から双角子宮と判明しその片側の子宮腔に外向発育した乳頭状腫瘍を認めた.対側腔は壊死組織が全周性に認められており,術前諸検査は対側腔からのみ行われていたと思われた.病理組織診断は類内膜腺癌であった.術後補助化学療法としてTJ療法6コース施行し,現在再発兆候無く経過している.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
294-294, 2003
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