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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1)
初回治療後2年で孤立性に脾臓転移を認めた子宮体癌の1例


大野 珠美, 伊東 和子, 岡 賢二, 加藤 清, 塩沢 丹里, 小西 郁生
信州大学産婦人科


 婦人科癌の脾臓への孤立性転移が稀に認められることがある.今回我々は,初回手術後2年で脾臓転移を認めた1例を経験したので報告する.症例1は55歳,2回経妊2回経産で,2000年11月,子宮体癌の診断で準広汎子宮全摘術,骨盤内および傍大動脈リンパ節郭清を行った.病理組織診で明細胞腺癌であり,筋層浸潤(-),頸部浸潤(-),付属器転移(-),リンパ節転移(-),腹水細胞診陽性のため,子宮体癌IIIa期と診断された.化学療法は行わず,外来にて経過観察の方針となった.経過中2002年11月,術前から上昇を認めたことのなかった血中腫瘍マーカーCA125が74.5U/mlと上昇を認め,その後の腹部CTにて脾臓に径2cmの腫瘤像を認めた.子宮体癌の再発で,脾臓転移と診断し,2003年1月17日外科により脾臓および膵尾部合併切除術を施行された.摘出物の病理組織診断で明細胞腺癌の脾臓転移と診断された.その後,TJ(paclitaxel+carboplatin)療法を施行中で血中腫瘍マーカーは正常化し,再発徴候は認めていない.これまでに報告された婦人科癌の脾臓への孤立性転移の13例中4例が子宮体癌の症例であったとの報告もあり,他の症例との比較検討を行った.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 294-294, 2003


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