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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(1)
子宮頚癌の放射線治療後,17年目に子宮体癌を発症した1症例


川島 直逸, 上野 幸枝, 堀江 昭史, 池ヶ谷 温美, 村松 拡巳
市立島田市民病院産婦人科


 今回我々は,子宮頚癌に対して放射線治療を施行した後,17年目に子宮体癌を発症,全身化学療法と手術療法を施行した症例を経験したので報告する.症例は74歳.昭和60年(56才時)に子宮頚癌の3b期,扁平上皮癌と診断され,放射線治療70Gyをうけた.その後平成11年(治療後14年目)まで経過観察し,再発は認められなかった.その後,受診が途絶え,14年7月に下腹部の違和感で当院を受診した.子宮は新生児頭大に腫大し,LDH1,600と高値を認めた.頚部細胞診にて悪性を示唆する所見はなかったが,諸検査にて子宮頚癌の再発を強く疑い,精査後の7月29日に開腹術を施行したが,子宮摘出できず生険のみの試験開腹術に終わった.生険の組織型は未分化癌であった.術後全身化学療法(CDDP,CPA,5-FU,MMC)3クール施行した.子宮は著名に縮小したため再手術を平成14年11月に施行した.子宮膣上部切断術,両側附属器切除術,部分骨盤リンパ節摘除術を施行した.術後も同様の化学療法を3クール施行後,現在外来にて経過観察,再発兆候は認めていない.Radiation induced cancerの可能性も含め検討・報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 295-295, 2003


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