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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍(2) 当院における過去5年間の子宮間葉性悪性腫瘍の検討
高橋 慎治, 小泉 るい, 松下 良伯, 武隈 宗孝, 松井 浩之, 芹沢 麻里子, 山下 美和, 岡田 喜親, 前田 真, 佐倉 東武
県西部浜松医療センター産婦人科
子宮間葉性悪性腫瘍は,大きく内膜間質肉腫,平滑筋肉腫さらに癌肉腫の3つに分類される.その発生頻度は全子宮悪性腫瘍の約1%と比較的稀な腫瘍で,その術前診断は困難な事が多い.実際,子宮筋腫と診断されたものの約0.5%が平滑筋肉腫との報告もみられる.さらに,その発生および自然史など不明な点も多く,標準的治療法も確立されていない.そこで今回過去5年間に当院で診断,治療した子宮間葉性悪性腫瘍症例11例について,その発生頻度,治療法さらに予後などについて検討したので報告する. 1998年4月から2003年3月までに術後病理診断にて子宮間葉性悪性腫瘍と診断された11症例の平均年令は59歳(35歳〜79歳)で,その内訳は平滑筋肉腫4例,内膜間質肉腫2例,癌肉腫4例さらに腺肉腫1例,進行期は1期8例,3期3例であった.同期間に当科で手術を行い術後子宮筋腫/子宮腺筋症と診断された症例は425例であり,子宮間葉性悪性腫瘍の発生は2.5%と考えられた.また術前診断は5例が子宮筋腫,4例が子宮体癌,1例が卵巣癌で,11例中10例で術後に診断が修正された.補助療法は術後進行期3期のうち全身状態良好であった2症例に行った(放射線療法;1症例,化学療法;1症例).3期症例は全て再発しており,2症例は術後6ヵ月以内に死亡している.しかし,1期8症例はすべて無病生存しており良好な経過を認めている.さらに詳細な検討を行い,文献的考察も加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
298-298, 2003
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