|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
卵巣腫瘍(1) 高齢者に発症した卵巣混合性胚細胞腫瘍の1例
福田 貴則1), 田中 邦治1), 鈴木 啓太郎1), 田部 宏1), 森 裕紀子1), 西井 寛1), 渡辺 明彦1), 落合 和彦1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属青戸病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)
悪性胚細胞性腫瘍は若年女性に好発し,閉経後の女性では稀とされている.今回,高齢者に発症した卵巣混合性胚細胞腫瘍の一例を経験したので報告する.症例は60歳,4経妊2経産.2002年8月,当院内科より貧血,不明熱の精査目的に紹介.診察にて子宮右側部に6cm大の充実性腫瘤を認め,腫瘍マーカーCEA 7.5ng/ml,CA125 1254U/mlと高値を示した.AFP,HCG-βは正常値であった.その他に発熱の原因となる疾患は検索されず,卵巣癌の疑いにて同年10月25日に内性器全摘術を施行.病理組織は未分化胚細胞腫,卵黄嚢種,胎芽性癌,絨毛癌成分を含むmixed germ cell tumorでFIGO Stage IIc(pT2c N×M0)であった.術後の経過は良好で不明熱は軽快した.同年11月7日より化学療法BEP(bleomysin,etoposide,cisplatin)を6コース施行.以後,腫瘍マーカー,診察上,再発所見なく外来にて経過観察中である.3成分以上を含む混合胚細胞性腫瘍は比較的稀であるとされており,若干の文献を踏まえ報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
299-299, 2003
|