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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(2)
再発卵巣癌の長期生存2症例の検討


百村 麻衣, 松本 浩範, 田中 逸人, 勝又 木綿子, 野口 顕一, 葉梨 秀樹, 安藤 索, 塩川 滋達, 高橋 康一, 岩下 光利, 中村 幸雄
杏林大学産婦人科


 再発卵巣癌の予後は悪く,長期生存するケースは稀である.今回我々は初回治療後再発した卵巣癌に対し,化学療法を変更することにより比較的長期生存している2症例を経験したので報告する.症例1は現在59歳,97年11月に手術を行い類内膜性腺癌IIc期であった.化学療法は術前にCP(CPM+CDDP)療法3コース,術後に3コース施行した.98年7月CA125が186U/mlと上昇したため,9月よりPaclitaxel(TXL)/CBDCA一括投与療法(TJ療法)を6コース施行し,99年3月にマーカーの正常化を認めた.00年1月CA125が180U/mlと再び上昇し2月に画像上再発を認めたため,3月よりTJ低用量分割投与法を10コース施行しCRとなった.01年9月CA125が90U/mlと上昇し,10月よりTXL週2回投与法にて5週間続けたがその後もCA125が上昇し続けたため,11月よりCPT+CDDP4コース施行,アレルギー反応認めCPT+TXTに変更後8コース施行し,02年2月にCRの判定となった(再発後生存期間39ヵ月).症例2は現在54歳,99年2月に手術を行い漿液性腺癌IIIc期であった.術後化学療法としてTJ一括投与法を6コース施行した.00年4月CA125が96U/mlと上昇したため,6月よりTJ低用量分割投与法を8コース施行した.マーカーは軽度の上昇を維持していたが,01年1月に画像上再発を認めたため2月に腫瘍摘出術を行った.3月よりCPT+CDDP療法を10コース施行し,4月にCRの判定となった(再発後生存期間30ヵ月).2症例とも03年6月現在再発を認めておらず,初回化学療法後に再発した症例に対し,化学療法を変更することにより生存期間を延長する可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 303-303, 2003


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