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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
子宮内膜症の子宮付属器切除11年後に癌発生を認めた1例


関口 将軌, 仁平 光彦, 大井 理恵, 小林 織恵, 八重樫 優子, 小林 康祐, 宇田川 秀雄
国保旭中央病院産婦人科


 【緒言】子宮内膜症が癌化しうることは広く知られているが子宮・付属器全摘後に癌が発生したという報告は少ない.今回我々は子宮内膜症に対して単純子宮全摘・両側付属器切除術後,ホルモン補充療法中に子宮内膜症由来と考えられる癌の発生を認めた1症例を経験したので報告する.【症例】49歳,2経妊2経産.1991年(38歳時)に腹部不快感を主訴に,卵巣腫瘍の診断で単純子宮全摘・両側付属器切除を施行した.病理診断は両側卵巣の子宮内膜症性嚢胞であった.術後まず卵胞・黄体混合ホルモンによるホルモン補充療法を開始したが,体重増加があったため約1年後に卵胞ホルモンに変更し,継続した.2002年7月から持続的な少量の茶色帯下を認めたが腟細胞診・内診・経腟超音波で異常所見を認めず経過観察としていた.2003年3月に経腟超音波で腟断端に径約5cmの高エコーの腫瘤様陰影を認めた.腟細胞診はclass I,腫瘍マーカー(CA125,CA19-9,CEA,STN)は正常範囲内,MRIにて腫瘤様陰影は造影効果を認めなかった.ホルモン補充療法を中止し,さらに経過観察とした.4月,腫瘤様陰影の明らかな増大は認めずCA19−9が57と高値であった.5月,腫瘤様陰影の増大や腫瘍マーカーの更なる上昇は認めず腟細胞診はclass Iであったが,茶色帯下が持続していたため穿刺吸引細胞診をおこなったところ,class IVであった.針生検で乳頭状腺癌であり,子宮内膜症由来の癌として矛盾はないと診断した.【考察】子宮内膜症の場合は子宮・付属器全摘後であっても残存組織から癌が発生しうることを念頭において管理をしていく必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 306-306, 2003


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