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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
肝転移を認めた境界悪性卵巣腫瘍の一例


根岸 正実, 大島 教子, 古野 元子, 山崎 龍王, 稲葉 不知之, 亀森 哲, 香坂 信明, 太田 順子, 深澤 一雄, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科


 境界悪性型卵巣腫瘍は通常,術後の補助療法を必要とせず転移や再発は稀である.今回,初回手術時に腹膜播種および広汎な肝転移を認めた境界悪性型卵巣腫瘍症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は49歳,一回経産,既往歴に特記すべきことなし.2月,朝より下腹部痛出現,鎮痛剤服用後も増強あり,夜間当院救急外来を受診.来院時超音波検査にて子宮筋腫と左右各々直径10cmおよび直径8cmの多嚢胞性の卵巣腫瘍を認めた.卵巣嚢腫茎捻転を疑い入院.入院後の超音波検査では中等度の腹水を認め,またMRIでは明らかな悪性所見は認めなかった.茎捻転または卵巣嚢腫破裂の診断で緊急開腹術を施行.右卵巣腫瘍は手拳大で1回転半の茎捻転を認め,壊死性の変化を認めた.また左卵巣腫瘍も手拳大に腫脹,内容は粘液性でごく一部に充実性部分があり術中迅速組織診に提出した.その結果,漿液性嚢胞性腺癌の診断であったため卵巣癌根治手術を決定.単純子宮全摘出および両側付属器切除,骨盤内および傍大動脈リンパ節郭清,大網切除を施行後,肝表面の触診で左葉表面全体に播種が疑われた.術前CTを再確認したところ,肝左葉全体を占める転移巣を認めた.術後の病理組織の最終診断はmucinous cystic tumor of borderline malignancy,左卵巣由来,リンパ節も原発と同様な組織であった.術後,追加化学療法としてTJ療法を開始,1コース終了後転移腫瘤の肝内胆管圧排による肝機能異常,黄疸出現があり内視鏡的胆管ドレナージチューブを挿入.画像上および腫瘍マーカーの推移(CA19-9:4850→450U/ml)より,有効と考えTJ療法続行,現在4コース終了したが肝転移巣以外には病巣を認めない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 306-306, 2003


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