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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(5)
カルボプラチンによるアナフィラキシー反応の臨床的検討


清水 和子, 青木 宏, 伊吹 友二, 山口 詠子, 村田 知美, 中村 和人, 鹿沼 達哉, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 婦人科悪性腫瘍の化学療法としてプラチナ製剤を含む多剤併用療法が選択されることが多い.特に悪性卵巣腫瘍に対してはパクリタキセル・カルボプラチン療法(TJ療法)が1st lineあるいは2nd lineとして選択され,長期使用症例が増えている.我々は,カルボプラチンによりアナフィラキシーショックを起こした症例を経験したので,カルボプチンによるアナフィラキシー反応について臨床的特徴を検討した.今回は,平成13年6月から平成15年5月の2年間に,当院にてカルボプラチンを含む化学療法を施行した症例について検討した.2年間で治療した症例は71例あり,6回以下が40例,7〜10回が10例,11〜19回が18例,20回以上が3例であった.この内,重篤なアナフィラキシー反応を起こしたのは3例で,それぞれ11,13,14回目の治療(いずれもTJ療法)時に起こしていた.カルボプラチン投与後10〜20分後に胸内苦悶症状を呈し,2例は呼吸困難,血圧低下,意識喪失といったショック症状を呈した.抗ショック療法によりすみやかな改善がいずれの症例にもみられた.3例中1例に対し,その後シスプラチンの投与が行なわれているが,同様の症状を呈し中止となっている.タキサン系薬剤のみならず,プラチナ製剤治療時にも患者に対するモニタリングは必要で,プラチナ製剤で一度アナフィラキシー反応を認めた症例に対しては,その後のプラチナ製剤の使用は避けるべきだと思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 311-311, 2003


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